【普段力で人生好転】

時間管理をする

 いい仕事をするには自分の時間を効率よく管理して行くことが大事です。
 その際のルールは睡眠時間を減らさないこと。
 こうしたルールを習慣にしてしまうことは大事です。

 大学受験を目指していた高校時代、クラスの担任は「4当5落」が合格の条件と生徒に話し、私たちはそれを信じていました。
「4当5落」とは、毎日4時間しか睡眠時間をとらずに猛勉強すると大学に合格し、5時間睡眠をとる人は入試に失敗する、つまり夜も寝ないで必死に勉強しない限り「いい大学には合格できない」という教えで、そのころの私は「4当5落」でなければ受験はパスしないと信じていました。
 高校生の私には、睡眠不足が「勉強の効率を下げる」といった発想はありませんでしたし、受験に必要でない科目は勉強しなくていいと思っていました。受験のために好きなことを1年間我慢するのも当然だ、と思っていました。
 だから好きなスキーやピアノもあきらめ、テレビもほとんど見ないようにしていました。たまに映画を見たりすると、後で「なぜ、見てしまったのだろう」と罪の意識にかられ、今思い出してもつらい毎日でした。
 テレビを見ていても「勉強しなければならない」という強迫観念が頭から離れず、毎日が縛られているような気持ちでした。

 所変わって英国の高校。娘のアリカが英国の進学校であるセント・ポール女子高校に合格したとき、主人と一緒に入学式に行きました。
 校長先生が保護者を前にスピーチした内容に、私は新鮮な驚きを感じました。
 校長先生はこう言ったのです。
「皆さんのお子さんたちは今日から高校生ですから、彼女たちに時間管理の仕方を学んでもらわなければなりません。
 効率の良い時間管理の仕方を学校で教えていきますが、マスターするためには、家庭のお父さんお母さんたちの協力が不可欠です。
 ただ長い時間勉強していれば成績が上がるというものではありません。
 大事なことは、効率のよい勉強法を高校時代に習得することです。
 だらだらと勉強していても能率は上がらないし、頭脳にもよくありません。
 人間が1日に集中して勉強できる時間は5時間ぐらいです。皆さんのお子さんたちがそれ以上勉強しようとしたら止めて下さい。
 頭を休ませることも、勉強の生産性を上げるために必要です。
 1週間に1日は勉強しない日を作ってあげて下さい。その日は、1日頭をゆっくり休ませるのです。スポーツをしたり、友達に会ったりして、できるだけ勉強のことを考えずに過ごすことが大事です。
 メリハリのきいた勉強法を習得することが、いい成績をとることにつながります」
 私は感動しました。私自身、日本の高校だけでなく大学でも時間の管理について教えてもらったことはありませんでした。
 娘のクラス担任の仕事の1つは、期末試験勉強のスケジュールを生徒たちに作らせ、アドバイスをすることでした。
 ある日クラス担任から生徒たちは
「期末試験まで2か月あります。あなたは5科目試験を受けます。どういう時間配分で勉強すればベストの状態で試験を受けられるか、その予定表を自分で作ってみてください」という宿題をもらいました。
 娘なりに考えて計画表を担任に提出すると、クラス担任は3つのことを彼女にアドバイスしました。

 


  • 1. 帰宅するのは夕方5時なので、月曜から金曜日までは自宅で勉強する時間は3時間以内に抑えること。

  • 2. 金曜日の夜は勉強をしないで気分転換のために使うこと。

  • 3. 土曜日か日曜日の内の1日は頭を休める日(勉強しない日)にすること。

 アリカは15歳にして時間の管理の仕方についてクラス担任のアドバイスを受けながら学びましたが、もし時間管理の仕方を高校時代に学んでいたら、私たちも「長時間勉強ではなく、効率よく勉強するルール」を習得できたと思います。
 普段から、効率よく集中して仕事をすることを実践していれば、仕事以外のことをする時間も生まれ、もっと豊かな人生を歩んでいけるのではないでしょうか。
 多くの犠牲を払わなくても、いい仕事ができる。そのことを学んだ入学式でした。

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藤原美喜子

金融評論家、グローバル環境問題コンサルタント、金融審議会委員、ロンドン大学客員研究員。

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