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Red Bull Air Race初優勝 室屋義秀選手が信じ続ける言葉

 「空のF1」Red Bull Air Race(レッドブル・エアレース)日本大会(2016)が、千葉市(幕張)で行われた。この世界的な航空レースに参加する唯一のアジア人パイロット、室屋義秀選手。小型プロペラ機による『操縦技術世界一』を目指す室屋選手が、日本人で初めて優勝した2016年6月5日は、歴史的な日となった。この歴史的な偉業達成には、室屋選手が信じ続ける言葉がある。

 

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Photo: Predrag Yuckovic/ Red Bull Content Pool Yoshihide Muroya of Japan (C) celebrates with Martin Sonka of the Czech Republic (R) and Kirby Chambliss of the United States (L) during the Award Ceremony of the third stage of the Red Bull Air Race World Championship in Chiba, Japan on June 5, 2016.

 

最高時速370kmで飛行可能なプロペラ飛行機で、旗門を通過しながら速さを競うレッドブル・エアレース。世界のトップ・パイロット14人を相手に、室屋選手は1回戦、準決勝を勝ち抜き、決勝Final Fourまで進出。Final Four進出の4人の中で最速1分4秒992の見事な記録で初優勝を飾った。2位のマーティン・ソンカ選手(チェコ)は1分5秒097、3位のカービー・チャンブリス(アメリカ)選手は1分5秒618。まさに100分の1秒を争う戦いだった。

 

5万人の観衆の前で優勝した室屋選手は「操縦技術世界一ということを目指してやってきた。届きそうで届かない、1番というのは難しい世界。25年かけてやっととれた」語った室屋選手。

 

Red Bull Air Race Chiba 決勝後の国際記者会見( Red Bull Air Race Chiba Race Day Press Conference (全34分31秒)で、小学館Book PeopleはNHKとともに、貴重な質問の機会を得た(Q&Aの模様は、28分37秒から30分43秒まで)。

 

(Book People)  室屋選手、初優勝おめでとうございます。(ブライトリング・ワールドカップをきっかけにして、「操縦技術世界一」を目指した)あなたは1996年-1997年に、エアロバティックスのトレーニングをアメリカで受けられました。その時の初めての教官がランディ(Randy Gagne)さんでした。ランディさんは、世界的な教官ですが、「君はワールドチャンピョンになれる!」と言われましたね? その当時のランディさんと室屋選手のエピソードを教えてください

(室屋義秀選手) (ランディさんは)私がエアロバティックを始めた最初の教官でして、まだ駆け出しで(飛行時間)10時間ぐらいの時に、「ワールドチャンピョンになれるよ!」って、半分嘘か本当か? 言ってくれたんですけど。その言葉を、僕はけっこう単純なので、信じ込んでずっとやってきました。なかなか獲れないなあと思いながら続けてきたのですが、「この日」が来たので、彼の先見の明が正しかったのかなと、今やっと言えると思います。

10時間くらいの飛行トレーニングで、パイロットの才能を見抜くことができることができるだろうか? ランディは室屋選手を気持ちよく飛ばすために言ったことばかもしれない。しかし、世界的な教官が真顔で、「君はワールドチャンピョンになれる!」というのだから、室屋選手は世界選手権を目指したという。

そんなランディに励まされて目指した「操縦技術世界一」であったが、1997年11月1日、アメリカ・カリフォルニア州の飛行中に墜落して亡くなった。ランディさんは、当時42歳だった。

 

室屋選手の著書『翼のある人生』(ミライカナイブックス)によれば、ランディの死を知った室屋選手は、そのショックから飛行機を飛ばすことを諦めかけたこともあったという。ランディの死後、約2年の間、室屋選手は飛びたいという気持ちを持てなかったようだ。死後2年以上が経って、室屋選手の心に変化が生じた。「やっぱり飛行機に乗りたい。もっとうまくなりたい」という心の中に眠っていた感情が目を覚ましたのだ。

 

「ランディは、僕が進むべき道筋を最初にはっきりと『言葉』で示してくれた人。きっと恩師は、僕が道に迷うことも見越していたのだろう。だから、ランディはこの言葉を残してくれたのだと思う。『お前は世界チャンピョンになれる』と」

 

決勝後の国際記者会見  http://www.redbullairrace.com/en_US/video/chiba-2016-race-day-press-conference で、答えてくれた室屋選手の心の中を知ることはできないが、Randy Gagne教官の一言が、室屋選手の『翼のある人生』に大きな影響を与えたことは確かなことだと思う。

 

 

室屋選手は千葉で初優勝を果たした。しかし、これから年間チャンピョンや「操縦技術世界一」なる夢を追い求めていくチャレンジは、まだまだ続く。

レッドブル・エアレースは今季は全8戦。「年間チャンピョンシップ総合成績で3位以内に入るのが目標。長いシーズンなので2016年10月末まで闘い抜けるだけのチーム体制、トレーニングを確実に積んで進んでいきたい」(室屋選手)。

 

 

室屋選手は飛び続ける。教官の言葉を忘れずに。

「君はワールドチャンピョンになれる!」Randy Gagne

 

 

 

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Photo: Predrag Yuckovic/ Red Bull Content Pool Yoshihide Muroya of Japan performs during the finals of the third stage of the Red Bull Air Race World Championship in Chiba, Japan on June 5, 2016.

 

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Photo: Predrag Yuckovic/ Red Bull Content Pool Yoshihide Muroya of Japan performs during the finals of the third stage of the Red Bull Air Race World Championship in Chiba, Japan on June 5, 2016.

 

Reported by Nikolai Kusuda and Takeharu Chris Kusuda (Shogakukan Inc.)  at the Red Bull Air Race World Championship in Chiba, Japan on June 5, 2016.

 

2016.08.01|17:02|Travel News

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