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DESIGN CLINIC

SWdesign|Design Clinic 030 | 受け継ごう、日本の美

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日本の美意識を受け継ごう。この国にはまだまだ先人の思いが生きている。(「染付」てっさい堂|貴道裕子著|ハースト婦人画報社)

SWdesign|Design Clinic 030 | 受け継ごう、日本の美

平安京が築かれてから1200年余り変わることのない鴨川の流れを見下ろし、四条大橋を東に向かい縄手通りを少し北へ。白川南通り、新門前通りと行き交ううちにそれまでの喧噪が嘘のように静かになり、先人の築いた京都に舞い戻るかのように書・骨董の看板が目につくようになる、古門前通りにその店はあります。

京都てっさい堂。

店の看板の文字は武者小路実篤の直筆の書です。扉をあけると平安の香り。豆皿やます皿、蕎麦猪口がぎっしりと積み上げられています。そこにあるのは長いながい時の試練を越えて今なお生きているものたちであり、そこには奥深い先人達の息吹が宿っています。

先日、このてっさい堂の貴道裕子さんの書かれた新刊『染付』が送られてきました。実はアウディを縁に、てっさい堂の若ご主人、貴道俊行氏と巡り会い、機会あるごとに素晴らしい教えをいただいている仲で、私の本の中でもご紹介させていただいています。

日本伝統の技である染付。新刊ではそのコレクションを披露されると共に、ものに託す思いが綴られています。本を拝見させていただきながら、我々の先人の創って来たものの素晴らしさ、そして貴道さんのようにその大切なものを守られている方々の精神をあらためて顧みることができます。

貴道氏とのメールのやりとりの中で以下のような会話がありました。
「染め付けの良さは飽きがこない事に尽きると思いますが・・・
作り手と使い手、その主観も客観もない、理性や因果の外でデザインされたのではないでしょうか。例えば・・・純粋な伝統への憧れ。
何を盛るか? いつ使うか? どこで? 誰の為に? それらを理詰めで考えず思いやりに置き換えたのはなかろうかと想像致します。

以前、和田様から街並みと車、景色になる車の話をお聞きした事と完全に同じ感覚です。

そのようにモノが作られなくなりつつある中で、今年の震災があり、原発事故がありました。亡くなられた方、生活の基盤を奪われた方が多くおられるという現実を考えたら残った我々は、過分(デタラメ)な消費を改めて、食べ物はもちろん、消費者に伝わる誠意を持ってモノ作りをしていく気風を取り戻さねばならぬと思います。」

ものや人の技、そして思いが受け継がれるということはどういうことなのでしょうか。新しいものを生み出すことを宿命とする人間は何を思い、何を継承していくべきなのか。そんなことを考えさせられる一冊、良い機会となりました。私はお礼にこのように書かせていただきました。

「明日を創る一人のクリエイターとして、先人に恥じない美しいものを創っていきたいと思っています。」と。
皆様、本年も宜しくお願い致します。
2012.01.03|12:43|DESIGN CLINIC

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