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DESIGN MEMORIES

SWdesign | Design Memories 047| デザイナーとモノの関係・頑張れ、子供達!

ume-688.jpg真っ青な空に紅白の梅。旅立ちの時。

SWdesign | Design Memories 047| デザイナーとモノの関係 ・頑張れ、子供達!

2004年ミラノ。初めて、あのシングルフレームグリルをまとったAudi A6の発表会は、いつまでも忘れられません。開発期間中はずっと、その個性的な顔立ちゆえにAudi社内外でも大きく賛否両論のあった"我が子"でした。

クルマやプロダクトをデザインするということは、"ゼロ"の状態から、ああでもない、こうでもないと論議や思考を重ねていくうちに、心から湧き出てくる"何か"をとらえることからスタートします。そうやって浮かんだアイデアやイメージをスケッチしながら、あやふやだった"何か"が段々と明確になっていくのです。

スケッチがまとまったら、続いて立体作業です。とりわけカーデザインの場合には、手、足、体全体を使って、志を共にする仲間との共同作業になります。決して一人ではなし得ないこと。みんなのこころを一つに、細部に渡ってこだわりながらつくりあげるモックアップにはいつしか生気が宿るようになります。

モックアップから、さらに量産にむけての様々な試行錯誤、試作を経て、やっと"我が子"の誕生です。

発表会当日。ミラノ空港に迎えのクルマとして用意されていたのはピッカピッカのシルバーのA6。それまで会社の中で見ていたものとはまったく違う、"成長した我が子"でした。早速乗り込み、会場のミラノ中心部に近づくと、すでに多くのA6試乗車の姿が。涙が出るくらいに嬉しかった。「さあ旅立ちの時だ。大いに羽ばたけ!」と。

愛情たっぷりに育て、巣立って行った"我が子達"は、今日も世界のどこかで元気にしているはず。

心配いらない。きっと立派に生きていく。 頑張れ、子供達!

2015.03.05|14:56|DESIGN MEMORIES

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