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第十五章『愛犬を幸せにしてくれるペットフレンドリーな宿とは?』03

宿に泊まったときの満足度を大きく左右するのが、お部屋、お風呂、サービス以上に、食事だと思いませんか?

 

 

今では愛犬と泊まれる宿でも専任の料理人、シェフがいて、イタリアン、フレンチ、懐石といった本格的な料理を自慢にしているところが増えてきました。元料理人がオーナーの宿も少なくありません。「愛犬と泊まれる宿の食事は期待できない・・・・」は過去の話です。

 

 

さらに言えば、予約時に苦手な食材、アレルギーを聞いてくれる宿、オプションでメイン料理を変更できる宿もあります。何が出てくるか分からない、おまかせ的メニューも確かにワクワク感があって魅力的ですが、好き嫌いが多い、またはアレルギー体質の人にとっては、そうした配慮はとてもうれしいですよね。それができる宿は、当然、余力がある宿とも言えるでしょう。採算ギリギリで食材を使い回しているところでは、そうはいきません。

 

今回は、これまで数多くの愛犬と泊まれる宿に滞在し、朝夕食をいただいてきた中で、料理に関して特筆すべき宿を紹介したいと思います。

 

 

イタリアン、フレンチ、和食といったジャンルで極めてグレードが高い宿がある一方、夕食に和と洋の両方のメニューを極めて自然な流れで組み入れ、大いなる満足感を与えてくれる宿、それが伊豆高原にある『別邸 石の家』です。

 

 

玄関マリア.JPG                  伊豆高原『別邸 石の家』のエントランス。  

 

 

 

英国コッツウォルズ地方の石造りの家をモチーフにした雰囲気ある全7室のこぢんまりとしたホテルで、大型犬連れだと本館、別館がある中のやや古い本館のみしか宿泊できず、また本館1階にあるレストランに入れず、客室内のダイニングテーブルでいただく部屋食に限定される点は残念ですが、夕食はフレンチと和の折衷コース料理。それも担当スタッフが"一品ずつ"部屋に運んできてくれます。そのたびにマリアは大興奮。部屋の入り口でスタッフをお出迎えします。

 

 

訪れたときの流れは、前菜、スープは海の幸を使ったフレンチ。メインの肉料理はあの「ロッシーニ風 静岡牛フィレ肉の網焼きソースシャスール」。イタリアの音楽家が愛した牛肉、フォアグラ、トリュフの組み合わせをそう呼ぶのですが、トリュフは欠けていたものの、お肉の間にフォアグラが挟まれ、お肉が柔らかくソースとの相性も抜群。ここまででもぜいたくな食材、ボリュームに大満足ですよね。

 

 

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そして口直しのみかんのソルベをはさんだあと、いよいよ伊豆の名物食材、和のメニューがスタートするのです。斬新です。新鮮です。

 

 

そこからは朝採れ地魚のお刺し身、金目鯛の釜飯、伊勢エビのおみそ汁と続き、メインの肉料理までですでにおなかいっぱいになっていたとしても、和食に流れが変わった瞬間、別腹感覚にさせてくれるから不思議です。

 

 

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デザートは再び洋食に戻り、クリームブリュレ。コーヒーまたは紅茶で締めくくります。ちなみに以上の内容でもスタンダードコース。特選コースともなれば、伊勢エビやあわびのグリルが追加されるからたまりません。

 

 

海の近くの宿なのに、仕入れ値のはる海鮮類は気持ち程度・・・という宿もある中で、『別邸 石の家』は専属料理人、シェフによるアイデア、コースの流れが光ります。宿の雰囲気からすれば洋食、しかし伊豆という立地から期待する地魚を使った和食もいただける・・・これって最高じゃありませんか。

 

 

料理自慢の宿でも、こうした和洋折衷の夕食を出すところはめったになく、洋食のみの宿、和食のみの宿が普通です。伊豆河津の『四季の蔵』のように本格イタリアンか割烹料理かの選択ができるのは例外的ですが、さすがに同じテーブルで和洋両方を楽しめる宿はそうはありません。それだけでも価値ありで、もちろん、内容もハイレベルです。

 

 

しかも、朝食はルームサービスの英国風ピクニックスタイル。英国調のガーデンやドッグランで朝食を摂(と)りたければ、持ち出し用のピクニックバスケットにアレンジしてくれるところも気が利いています。

 

 

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夕朝食のあとはお部屋にある温泉が待っています。なにしろお部屋の中にテラス露天と内風呂のふたつが付いているのですから、もう最高です。露天のほうはオプションで50本のバラを使ったバラ風呂のアレンジも可能だったりして・・・。カップルにはたまりませんね。夕食後、お風呂上がり用にと、マンゴーゼリーを持ってきてくれました。もう、サービスの厚さには頭が下がります。

 

 

このホテル、わが家の先代犬のナナ、マリアの2代に渡って何度か訪れているお気に入りの1軒。本館客室の古さを補って余りある滞在の心地よさ、価格対満足度(大人1名1泊2食付きで1万6800円~)、スタッフのサービスにいつも感心させられます。

 

 

おっと、忘れてました。このホテルでマリアがどう幸せになれたのか?それは、部屋食をいいことにノーリードで人間用の食事を少しずつもらい放題。レストランじゃこうはいきません。以来、マリアは部屋食が大のお気に入り。

 

 

おかげで、マリアに愛犬と泊まれる和風旅館(当然部屋食)に連れて行ってとせがまれている今日このごろです。うるさくてしょうがないので、誕生日に連れて行ってあげました。もう無礼講でしたけどね・・・・。一品一品、美味しいにおいとともに料理を運んできてくれる仲居さんも大変だ。その都度、マリアのしつこすぎる熱烈大歓迎を受けるんですからね。仲良しになった仲居さん、料理危機一発!

 

 

 

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      「いい誕生日ワン・・・・・」(修善寺・絆にて/写真はワンコメニュー)。

 

というわけで、料理のおいしい宿は、人も愛犬も幸せにしてくれます。マリアのおなかもぱんぱんです。寝顔は、いつになく満足そうだ。

 

 

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            修善寺『絆』の夜。もう、おなかははち切れんばかりにぱんぱんです。

 

2012.10.19|12:00|青山尚暉

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