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Sometime Atlas

第十三章 『震災時 愛犬とどう困難に立ち向かえばいいのか』 03

 

絶対にあってほしくはありませんが、最悪のケースを想定してみましょう。自宅に住めなくなり、居住地から避難せざるを得なくなり、さらには避難所があってもペットを連れて行けないような状況を。犬連れ、とくに中大型犬連れの家族はいったいどうすればいいのか?混乱の中、犬連れでなくても途方に暮れるのに、愛犬連れの場合はさらに多くの困難に立ち向かわなくてはなりません。

  

 

 

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 2011年3月12日。東京近郊で被災地指定されたわが家の回りの様子。道は土砂まみれで水道管破裂によって水びたし。マリアが散歩に歩くにも大変でした。

 

 

 

だからこそ、今すぐにでも万一のときの避難方法をシミュレーションしておく必要があります。今でも3.11後遺症か、地震が来るとスクっと立ち上がり、耳が後ろにいき、しっぽが入ってしまうほど怖がるマリアに「心配しなくていいよ。絶対に1人にしないからね。ちゃんとフードやおやつの備蓄もしてあるからね」と、ことあるごとに言い聞かせています。

 

  

 

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3.11直後に届いたマリアのフードとおやつ。でも、もっと深刻な状況なら、宅急便がこれない可能性も。人間用とともに、愛犬用の備蓄も必要ですね。いや、ぜひともそうしろと、マリアは言ってます。

 

 

もちろん、地震の際、自宅に誰もいない可能性だってあるじゃないですか。まずは何としてでも自宅に帰る。わが家ではそう考えていますけれど、すぐに帰れる保証はありません。だから近所の犬仲間、知り合いに家の鍵を渡してあります。「何かあったらマリアをよろしく」というわけです。

 

 

 

 

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2011年3月下旬、やっと住宅街の公園に災害派遣の自衛隊の給水車がきてくれました。わが家の水が出るようになったのは4月下旬でした。それでも、家に住めたのは幸いでした。マリアと離れずいっしょにいれたのですから。

 

 

 

さて、最悪のケース、どこへ避難するか。まずは被災していない親せき、知人の家に向かうことが考えられます。あるいは、クルマでの移動が可能なら、被災していない地域のペットと泊まれる宿に問い合わせてみようと思っています。

 

 

3.11の翌日、2011年3月12日にはすでにこんな案内が、ある宿のホームページに掲載されていました。

 

『避難されている方、無償で受け入れいたします。ご連絡ください
お友達やお知り合いで避難されている方がおられましたら、ご連絡してあげてください

 

ペットと泊まれる宿 ○○○○ ○○○

 

犬連れのお宿ですが、
犬連れでなくても受け入れいたします

 

すごい揺れでしたが、○○○○ ○○○は無事です』(新潟県のペットと泊まれる宿のホームページから引用/2011年3月)


 

『○○○○○では7月31日までの予定でワンちゃん連れの浪江町原発避難者の方々を受け入れていますが、このたび受入れ期間を9月30日まで延長することにいたしました。
ただこれはあくまでも目安であって、避難者の方々の住居が決まるまでは受け入れを続けるつもりでおります。

 
避難者の方々はすでに仮設住宅の申し込みをされてはいますが、抽選があり、いつから入れるという確約はありません。また仮設住宅に入ったとしても、自立して行かなければならないので、仕事先も見つからない今、住居は与えられても、食事代や光熱費など生活して行く上でどうしても必要な経費を捻出することができないとおっしゃいます。

私どももこのような状況の中、退居していただくことはできません。

せっかく何かの縁で○○○○○に集まった人たちなのですから、このまま受け入れを継続して行きたいと思います。
この間は一般のお客様は宿泊できなくなりますが、避難者の方々の住宅が早く決まれば館内はまた元通りお客様にお泊りいただけます。 
その時にはまたお知らせいたします。

○○○○○に来ることを楽しみにしていらっしゃったお客様には誠に申し訳ございません。なにとぞ事情をお汲み取りいただきご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます』(千葉県のペットと泊まれる宿のホームページから引用/2011年7月)。


 

立派です。うれしいです。感謝です。このように、通常営業を休止してでも、ペット連れで避難する家族を無償、あるいは格安料金で受け入れてくれた宿が数多くあったのです。

 

 

しかしながら震災下、そうした情報を広く得るには、パソコンやスマートフォンなどが必要です。それすら使えない場合はどうすればいいのか?そこまで考える必要があるとは思いませんか?

 

 

以前、行きつけのペットと泊まれる宿をつくりましょう!!とお話ししたことがありますよね。スタッフと知り合いになっていれば、人も犬もより快適に滞在できるからです。もしかしたら、多少の無理を聞いてくれるかも知れません。

 

 

ボクは最悪のケースに見舞われたとき、愛犬連れ避難の選択肢のひとつとして"行きつけのペットと泊まれる宿に連絡してみる"があると思っています。それなら公衆電話でも可能です(震災時は無料になることもありますが、10円玉は必要です)。

 

 

とは言っても、その場所はわが家の場合、180キロほども離れた伊豆河津だったり、軽井沢だったりします。到底、大型犬のマリアを連れ、歩いて行ける距離ではありません。動いていても公共交通機関には乗れません。だから事態が落ち着いたあと、最後の最後はクルマが必要です。クルマを動かす燃料が必要です(地震直後のクルマ移動はもちろん厳禁です)。車載の避難グッズも必要です。もっと言えば、日ごろの点検整備、満タンも不可欠です。いざというとき、クルマが快調に動かない、燃料が入っていないではどうしようもありませんからね。

 

 

 

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マリア行きつけのペットと泊まれる宿の2件。上は伊豆河津、下は軽井沢。スタッフとも仲良し。こんな宿を見つけておくのも、万一の際の備えかも知れません。 どちらももう、4~5回は訪れています。

 

 

 

もっと具体的な話をすれば、想定される避難場所までの距離を知っておく必要があります。たとえば片道180キロとしましょう。ここから計算です。マイカーの最低平均燃費×燃料タンク容量が重要で、例えばマイカーのこれまでの最低平均燃費が6km/L、燃料タンク容量50Lだとすると、満タンで走れる距離は最大300キロです。ただ、地震後の混乱の中ではいつも走れる道が走れるかどうか分かりません。高速道路が使えず、一般道、迂回(うかい)路を利用しなくてはならないかも知れません。渋滞もあるでしょう。そこまで考える必要があります。安全マージン距離はこの場合、250キロぐらいと見たほうがいいかも知れません。途中で燃料補給できる保証はないのですから。

 

 

時代はエコカー、HVカーが主役ですが、環境性能、日々の燃費の良さもさることながら、航続距離の長さがここではとても重要になってきます。足の長いエコカー(ガソリン車含む)、HVカーはそんな最悪のケースでも威力を発揮してくれることでしょう。ボクらの業界で3.11直後、被災地へと向かったスタッフも、現地での燃料補給が難しいと考え、足として借り出したクルマはHVカーがほとんどでした。愛犬家にとってもまた、室内空間に余裕あるエコカー、HVカーが、最悪のケースでやはり理想ということです。

 

 

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以前、自動車雑誌で東京~軽井沢間の燃費テストを行ったフリードとプリウスα。走行距離376キロの総合実燃費はフリードHV17.8km/L、フリード(ガソリン車)16.0km/L、プリウスα 19.1km/L。それぞれの航続距離は平常時満タンでそれぞれ747.4キロ、672キロ、859.5キロ。文句なしです。

 

 

 

えっ、中大型犬の飼い主なのに免許がない!? ならば早期に教習所へGOですよ!! そしてエコで燃費のいいペットに優しいクルマを買ってください。ボクの回りにも、中大型犬の飼い主なのに、クルマを持っていない人が少なからずいます。普段の獣医さん通いにもクルマは絶対必要でしょう。いざというとき、マイ避難所にもなります!! これは自動車評論家というより、いち、犬の飼い主としての緊急提言なんです。

 

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