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Sometime Atlas

第二章 『愛犬は家族を和ませ夫婦の危機を救う?』 03

かつて、カミサンがプチ家出したことがありました。ちょっとした喧嘩の後、深夜、プィっとクルマに乗って飛び出してしまったのです。しかもなぜか当時の愛犬のナナを道連れに・・・。あてもなく首都高速に乗り、気がつくと一路横浜方向へ。こんな場合、目的地などあるはずもないですね。でも、結論から言えば、2時間ほどで、すっきりした顔して戻ってきたのです。理由は簡単です(後から聞きました)。

 

 

普段のドライブではすぐに寝てしまうナナが後席で起きたまま、「ママ、ママ、パパが心配してるから早くお家に戻ろうよ」と困ったような目で訴えかけ続けていたからだそうです。

 

 

nana_kaerouyou.jpg  nana  2003 

 

翌朝、もし、ナナを連れて行かなかったら・・・って聞いたら、「もしかすると気分が晴れることがなくて、高速道路を延々と走り続けて名古屋あたりまで行ってたかも。それにむしゃくしゃしてスピードを出しすぎてどうなってたことかしら」なんてシラっと言ってました。おいおい。一人じゃなくて良かった。本当に、ナナに感謝です。

 

犬は家族の顔色、雰囲気に敏感です。そのとき、ママがカーッとなっている様子など百も承知。家族の一員として、今、何をすればみんなが仲良くなれるか、幸せになれるかをきっと本能的に知っているのでしょう。

 

 

逆に言えば、家族や夫婦がギクシャクしている中で暮らす犬は、ちゃんとかまってくれるくれない以前に不幸で、ストレスから病気になったりするのです。気を使っていないようで、実は犬は犬なりに目いっぱい、この世で"唯一信じられる"飼い主に対して気をつかっているのですから・・・。それに応えるべく、家族、夫婦は仲良くしないと。まぁ、犬がいてもいなくてもそうなんですけどね・・・。

 

no_kenka_nana.jpg nana 2002

 

ところで、近所にかわいがっていたゴールデンレトリバーを12歳で亡くした、全員が犬を愛する家族がいました。悲しみに暮れる中、それからしばらくして、病気で自宅療養を強いられた主人もまた亡くなってしまったのです。

 

 

しかし、ご主人は亡くなる1カ月前、ゴールデンレトリーバーの子犬を自身の意思と独断で飼ったのです。おそらく死を覚悟したご主人は、残された家族が少しでも癒やされればと、大好きなゴールデンレトリーバーの子犬を飼うことを決意したのでしょう。

 

 

その後、犬のお散歩で奥さまと会った時のことです。「主人が亡くなったあと、深い悲しみから抜け出せたのはこの犬のおかげなの。あの時、本当に飼ってよかった。どれほど救われたわからないわ」そうお話ししてくれました。

 

 

家族にとって犬は決してご主人の代わりにはなりません。けれども、そのゴールデンレトリーバーの仔犬はご主人の遺志で加わった新しい家族の一員として、その存在によって、残された家族の悲しみを和らげ、残された家族だけで生きていく勇気と希望を与えてくれたに違いありません。愛犬は夫婦喧嘩どころじゃない、もっとずっとずっと大きな家族の、夫婦の危機をも和ませ、救ってくれることもあるんですね。


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