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Sometime Atlas

第一章 『向日葵の花飾りに込められた希望』 03

それにしてもエクルは、見ず知らずの夫婦にいきなり乗せられた慣れないクルマが、始めてのドライブが、しかし嫌ではないようなそぶりでした。もちろん、今後、ボクたち家族の一員として今まで想像もできなかった環境で暮らし、1日2回、おなかいっぱいになれて、1日3回、近所の公園やドッグランにお散歩に連れて行ってもらったりする生活など想像もしなかったでしょう。まして毎月のように旅しドライブする幸せを味わえること、小学館のラピタという雑誌の大特集でモデル犬を務めること、「ペット大好き!」というwebサイトで2代目自動車評論犬、ペットと泊まれる宿評論犬として活躍するようになることなど、そのときには夢にも思わなかったに違いありません。

「エクルはナナの生まれ変わりじゃないのかなぁ」
ボクとカミサンはクルマの中ですでにそう感じていました。後ろ姿が同じレトリーバー犬種だから似ているだけじゃありません。その佇まいそのものが、あのナナが宙から舞い降りて、東京の夜景を眺めながら「現世を懐かしんでいる」ように見えたからです。

 登場する犬の名前が多くてすいません・・・。でも、ぜひナナを紹介させて下さい。ナナはボクたちにとってとても大切な家族の一員であったと同時に、これまで夫婦が仲良くやってこられた大きな要因とも言える存在なんですから。

 ナナは1994年7月2日に生まれ、その夏にわが家にやってきたゴールデンレトリーバーの女の子です。子供のころからクルマが大好きで、初代自動車評論犬!?、ペットと泊まれる宿評論犬!?として多くの場所で活躍してくれたまさしく家族の一員、愛犬でした。過去形です。そう、ナナは2005年3月、10歳8カ月の幸せな犬生を過ごし、家族とお友達に見守られながら宙へと旅立っていったのです。

ナナ・スパイク1.JPGPhoto: Nana

偶然にもちょうどそのころ、生まれたのがエクルでした。ナナが神様と「2年半の間、鹿児島の山奥で苦労し耐えたら、大好きだった元の家に戻してあげましょう・・・」そんな契約を結んだのかもしれない・・・なぁんて想像してしまったのです。

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