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Sometime Atlas

第五章 『ワンderful LIFEとクルマの関係』 02

とにかく、ワゴンタイプのクルマなら、3~4人のお泊まりドライブなんかでボストンバッグのような荷物がふたつみっつあっても、犬と荷物の共存が可能です。荷室に荷物を載せるとしても、床にあるフックとベルトを使って固定できますからね。犬は動くものに敏感、怖がったりしますけど、それなら安心安全です(荷物は毛だらけになりますけど)。

 


それからわが家にはずーっとワゴンがありました。愛犬と暮らし、旅するようになって、クルマ選びの基準がガラリと変わったのです。いや、クルマ選びの主導権は愛犬に移行したとも言えます。

 


そうそう、同じ車種でもセダンとワゴンでは雰囲気がかなり違います。ワゴンのほうがスタイリッシュでオシャレでより自由な空気を感じられる、みたいな。アンチ・メルセデスの人でも、ワゴンなら積極的に乗りたい・・・そんなハナシもよく聞きますからね。

 

 

でも、どんなワゴンでもいいというわけじゃありません。中大型犬を乗せるには、まずフロアが低いこと。ナナによれば高さは地上から60cmぐらいまでがいいらしい。それより高くなると乗るときは足腰元気ならピョンとジャンプできても、降りるときは最初に着地する前足の負担が大きくなるとか。そして開口部とフロアに段差がないこと(ワゴンでも段差のあるクルマもあります)。段差があると乗り降りするときに足をくじく可能性があるワン、とも言ってました。

 
nana_wagon_joko.JPG 雑誌の撮影風景。荷室の乗り降りのしやすさを説明するカットを撮影中・・・・・。ナナ、ご苦労さまです。

                        


犬がそんなこと、考えるかよ、言うかよ?と思う人もいるでしょうけど、犬は目線で高さをしっかり測っています。その検証のため、ある日、同じスタイル、色の、背の低い普通のワゴンと悪路を走れるように車体を持ち上げた背の高いワゴンの2台を借りてきました。ナナは普通のワゴンの荷室ならいつものようにためらいなくピョンと飛び乗ります。しかし、背の高いほうの、荷室の床もまた高いワゴンの後ろに立たせると、飛び乗る気配なし。目が「この高さじゃ乗れないワン」って言ってました。


 

で、もっと言えば、後席、荷室までエアコンの風が届き、3面の窓は外から干渉されにくく、直射日光をやわらげてくれて、室内の温度が上昇しにくいダークガラスであること、そして乗り心地よく、前後左右の姿勢変化が少ないことに尽きるのです・・・・・。

 

 

さすが、犬とクルマの相性を日々、研究し続けている自動車評論家ならではの目のつけどころだ! (自画自賛)。

 

 

当時、ナナがもっとも気に入っていたのはスバルのレガシイツーリングワゴン。クルマとしてペットフレンドリーな要件のほぼすべてを満たし、しかも走ると重心が低くスポーツカーのようにすごく安定していて楽しい。犬を荷室に乗せてもフロアが汚れないようなアクセサリーもありましたから最高最強です。

 

 

ところで、さっき2台のワゴンを借りてきた、と言いました。どうしてそんなことができるのか?答えは簡単です。すでにご承知の方もいると思いますが、ボクの本業は自動車評論家。だから、自動車メーカーの広報車と呼ばれる、テスト用のクルマをテストのために貸してもらうことができるのです(犬の乗り降り実験も評論の対象ですから!?)。

 

 

ここだけのハナシ、新車を借りてきては、ナナを乗せ、「このクルマ、犬にとって快適かなぁ、どう思う」ってその都度、ナナに聞いていたのです。クルマと犬の相性診断、ですね。そんなわけですから、クルマとドライブが大好きなナナは年間、なん十台もの新車に乗っていました。立派な自動車評論犬というわけです。

 

 

nanav70drive02.JPG ステーションワゴンを鼻で運転するナナ・・・・・って冗談ですが、こんなことをやるぐらい、クルマが好きでした。

 


もちろん、ナナは言葉を発しません。が、快適に乗っていられるかは、様子で分かります。乗って走り始めて、すぐに寝てしまうクルマはリラックスできて快適・・・ということです。いつまでも緊張して立ちっぱなしだったりするクルマは、あまり快適じゃないんです(実際、人間の乗り心地評価と合致しています)。

 

 

ただ、それだけだとハナシとして説得力がない。愛犬家の戯言でしかない。そこで開発したのが薄く弾力あるウレタン生地のマットです。荷室にそれを敷いておき、ドライブを終えたあと、爪が食い込んでいる跡を見るんです。素材的に一旦、爪が食い込むとしばらくは元に戻らない。よって、緊張したり、乗り心地がグラグラして体を支えるため常に爪を出して踏ん張らなくてはいけないようなクルマの場合、深い爪跡だらけになってしまいます。

 

 

逆に、人間が快適だと思えるクルマは往々にして爪の跡が残っていない。スバルのレガシイツーリングワゴンはそうしたテスト!?でも優秀だった1台。カーブでもフラつかず、ブレーキを踏んでも前のめりになったりしないため、緊張せず、爪を出して体を支えることなく安心快適に乗っていられたんでしょうね。

 

 

愛犬を乗せる場所はなにも、ワゴンの荷室だけとは限りません。犬種やサイズ、乗車人数によっては後席でも大丈夫。リヤドアの開口部が大きく、シート位置が低めで、シートクッションが平らで(角度もついていないこと)、長さがたっぷりあれば (50cm以上が理想) 完璧です。ただし、万が一の急ブレーキを踏んだときフロアに落ちないよう、フロアへの段差がなくなる、空気を入れて膨らますクッションや、前席と後席のヘッドレストで固定するハンモック状のシーツ、愛犬用シートベルトを利用すべきでしょうね。

 

  

maria_koseki_partnermat.JPGスバルにはこのようなパートナーズマットと呼ばれる、前席と後席のヘッドレストで固定する、ハンモック状のシーツがあります。これがあれば万一の際、床に落ちることもありません。ファスナーを開くと、床まで覆ってくれるため、片側のみファスナーを開くと、人間も1人なら乗れます。 後席に乗っているのはマリア。

 

  

一度、ナナがなにもない状態で後席に乗っていて、急ブレーキでフロアにドスン!足をくじいてしまった経験があります。悪かったなぁ・・・ゴメンよ。

 

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