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Sometime Atlas

第一章 『向日葵の花飾りに込められた希望』 01

2007年9月28日。もうすぐ10月だというのに、東京の気温が最高32度を記録した日の夜、2頭のラブラドールレトリーバーが、鹿児島発のJAL最終便で東京羽田空港に到着しました。

P1030885.JPGラブラドールの1頭はブラックラブ、もう1頭はイエローラブ。鹿児島の山奥にある、崩壊寸前の繁殖場で鎖に繋がれたまま放置され、満足に食事を与えられず、世話をしてもらえなかった、劣悪な環境で育った多くの犬たちの中の女の子の姉妹です。もちろん、繁殖場では名前などありません。けれども、姉のブラックラブにはランプ、妹のイエローラブにはエクルという名前がつけられていました。

なぜなら、およそ8カ月間、たった2人で山中に入り、放棄されたたくさんの犬たちの世話をしていた30代の主婦の方と20代の女性のボランティアが1頭1頭に愛情を込めて名前を付けてくれたからです。そうして、もしかしたらそのまま餓死したり病気で死んでしまったかも知れない悲しい運命の犬たちの面倒を見続けてくれたのでした。

2頭のラブラドールは多くの人たちの支援もあって、第二の犬生を送るべく、Oさんという、鹿児島の不幸なワンコたちを受け入れてきた、東京のボランティアの元へ旅立ったのです。鹿児島のボランティアの人たちの負担が少しでも減るようにと、東京のボランティアの人達が有休をとってわざわざ鹿児島へ飛行機で飛び、帰路に犬たちを搭乗客の手荷物扱いにして羽田にとんぼ帰りしたそうです。本当に頭が下がります。
 
鹿児島のボランティアが発信しているその日のブログにはこうありました。
 『JALさんに貸していただいたバリケンへ1頭ずつ入れながら最後に頭を撫で今までありがとうね。と言葉を添えてケージの扉を閉めました。手荷物カウンターに預けた時、私たち幸せになるからねとワンワン言っていました』。

ボクとカミサンはクルマで羽田空港へ向かい、ボクは到着ロビー前で待機(一般車両は駐停車禁止で空港警察にとがめられましたけど、事情を説明してしばし、停めさせてもらいました)。わが家ではまだ東京での行き先が決まっていない、2歳半のイエローラブ、エクルの里親になろうとしていたのです。

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