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私が設計した建物紹介001 下鴨の家(京都・2006年)

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©鈴木エドワード建築設計事務所

 

 下鴨の家は閑静な住宅地の角地にあり、敷地面積は約363㎡で、隣家が近接していた。

「各室から緑が見えるように」

これが、施主の唯一の要望だった。それに加えて、私が日ごろから心掛けている"現代の京都らしい景観"のありようを訴求した。

施主の要望を満たすため、私は長年追い求めてきた「インターフェース」を採用することにした。

元来、日本には「借景」という造園技法があるものの、残念ながら最近では環境の変化により、めぐり会える機会が少ない。それどころか、周囲から遮断するために塀やスクリーンを立てて、敷地内で小宇宙を造らざるを得ない状況になっている。このニーズに応える手法がインターフェースだ。家屋の外側に内外を遮断しないスクリーンを設け、その内側に緑を配置するテクニックが最も分かりやすいインターフェースの手法である。

日本の伝統的な暮らしの知恵にたとえるのなら、インターフェースは現代の縁側とも言えよう。縁側は、外であり内でもある。外と内の中間領域であり、外と内の世界を結んだり、分けたりする役目を担う。日本社会のいい意味でのあいまい性、人と人、人と自然、人と社会との絶妙な距離のとり方を体現している。インターフェースは縁側と同様、外と内の境界域をやわらげる潤滑油であり、同時にフィルター、バッファゾーン、クッションである。

下鴨の家では、インターフェースのスクリーンを2通り設けた。1つは、円形のフロストガラスである。2階の北東面を外界から遮り、やわらかい陽光を採りつつ、プライバシーを確保する。もう1つは、燻煙割竹の縦格子。割竹のスクリーンは、隣接する日本家屋の風情を感じながら、プライバシーを確保できる利点がある。これは、「お互いを思いやる隣人関係とは、気配をうっすらと感じさせながらプライバシーを保つことで成立する」という私の持論とも一致する。そして、スクリーンの内側には、矮性モウソウチクを主にリュウノヒゲ、トクサを低層部に配置して"現代の京都らしい景観"を創出した。

インターフェースを取り入れた下鴨の家は、閑静な下鴨の町並みにふさわしく、家の光が夜道を照らす「行灯(あんどん)の家」となった。地域住民に親しまれ、愛される家であり続けることを願う。

2010.02.22|07:02|Architect Atlas

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