鈴木エドワードのトップ

Architect Atlas

私が設計した建物紹介002 JRさいたま新都心駅(埼玉・2000年)

鈴木氏・さいたま新都心駅①.jpg   

  

鈴木氏・さいたま新都心駅②.jpg

鈴木氏・さいたま新都心駅③.jpg©鈴木エドワード建築設計事務所   

 

 さいたま新都心は、行政、商業、文化機能が集中するさいたま市の中心となる区域である。さいたま新都心駅はその玄関口として、JR宇都宮線・京浜東北線の大宮駅-与野駅間につくられた。建設にあたり、埼玉県は「21世紀の彩の国(※埼玉県のキャッチフレーズ)をリードする新都心として、にぎやかに人と物と情報が行き交う創造的で楽しい都市空間」にふさわしい駅を望んだ。

 

 私は、この駅について、雲や空気のように人を包み込み、暖かさと心地よさをもたらすシェルターでありたいと考えた。そして、全体的に雲のように柔らかく流れる形態とし、造形的な存在感を主張しないようにした。この意匠は、俯瞰(ふかん)すると、自由通路とコンコース、プラットホームが一体となった盤として成立しており、構造体そのものとなっている。つまり、ブログでは三角形が構造体の基本と話したが、今回は盤そのものに筋交いが入っているので、三角形をベースにしなくとも構造体として成立する。

 

 自由通路には、「約80mの通路に柱を1本も立てず、さらに23mの幅員を確保」という条件があった。この条件を満たすには楕円形断面が最も効率がいいと判断し、大きなチューブ型でゆとりある歩行空間を創出した。屋根は省エネを考慮し、全体の約1/3を透明ガラスとし、残りは断熱材を間に入れた折板を採用して低コスト化を図った。こうして、流れるようなラインで一体化した駅舎と自由通路に十分な自然光を採り入れることができ、時間の経過とともに変化する光と影の表情が楽しめる通路となった。

 

 自由通路の中央でつながる改札口、コンコース、プラットホームは、自由通路の楕円形断面の一部を開き連続した屋根にして駅舎機能を覆うことで、自由通路とコンコース、プラットホームの一体感を強調した。また、屋根支柱は樹木形として必要に応じて配置することで、暖かさと心地よさを演出した。

 

 さいたま新都心駅は、駅としてのハード機能のみならず、人の心にやさしさを発信できる駅であることを目指した。「全国の人々に愛され、埼玉県民が誇りと愛着をもてる魅力ある自立都市」としてのさいたま新都心づくりの中で、この駅が役割の一端を担うことを願う。

 

この建物の受賞歴:JR東日本 さいたま新都心駅。通産省グッドデザイン賞(2000年)、社団法人日本商環境設計家協会JCDデザイン賞・奨励賞(2000年)、彩の国さいたま景観賞(2001年)、社団法人東京都建築士事務所協会東京建築賞優秀賞(2001年)、埼玉県20世紀景観賞(2002年)

2010.02.28|07:00|Architect Atlas

▲このページのトップへ