8.数字にまつわる不思議な話:フラクタル現象と黄金のスパイラル
私が、黄金比に注目するのは、1.618という比率よりも、その関係性です。たとえば、長い辺を1.618で、短い辺を1で構成した黄金比の長方形があります。これを正方形と長方形に分割しますと、長方形は必ず黄金比の長方形になります。
1をラージ(L)、0.618をスモール(S)とすると、最初の長方形の全体はL+S、長い辺はLで表すことができます。面積の小さい方の長方形は、長い辺をL、短い辺をSで表すことができます。そして、次のような式が成り立つのです。すなわち、L+SがLに比例するように、LはSに比例します。
この関係性から、黄金比は数としての美しさを持っています。それは、黄金比を求める方程式を変形した連分数などの形で現れます。
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黄金比とフラクタル現象
ここで、注目すべきは、部分が全体と同じ形を持っている点です。どの部分にも、常に全体の形を収縮した形があります。この性質を自己相似性と呼び、自己相似性を持つ形をフラクタル現象と定義しています。そして、また、フラクタル現象も自然界でよく見ることができます。リアス式の海岸線や雲、河川の流れ、シダの葉、人間の体内を流れる血管の分布など、いずれもフラクタル現象と定義されています。つまり、フィボナッチ数列と黄金比、フラクタル現象は、それぞれ、密接につながっているわけです。
そうそう、人間の耳もフラクタル現象と言われています。人間の耳の形は、逆さまの胎児とよく似ています。余談になりますが、耳には人体の重要なツボが集中しており、胎児の頭にあたる位置には頭に関連するツボが、心臓にあたる位置には心臓のツボがあります。不思議と胎児の部位と、人体のツボの位置が一致しています。
次に黄金比の長方形を、正方形と黄金比の長方形に分割し、新しくできた黄金比の長方形も正方形と黄金比の長方形に分割します。その作業を繰り返した後、円弧で正方形の対角線を結ぶと、美しい螺旋が現れます。
黄金のスパイラルは美しい
図にある螺旋(スパイラル)は、黄金のスパイラルと呼ばれています。そして、この黄金のスパイラルも自然界でよく観察されます。最も美しい巻貝とされるオウム貝の断面図は、美しい螺旋模様を描いており、黄金のスパイラルとほとんど一致します。それだけではありません。ヒマワリの種は、よく観察すると螺旋状に並んでいます。その螺旋は、もちろん、黄金のスパイラルです。キャベツの断面もしかり。マクロな視点では、台風や渦巻銀河の形状が黄金のスパイラルと酷似しています。
気がつけば、私たちは、知らず知らずのうちに黄金比に囲まれています。いにしえの哲学者や科学者がこの事実に気づいたとき、黄金比を「神の比」、「神聖比率」として崇めたとも言われています。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロも、また、黄金比の美しさを知り、絵画の中で使っています。私たちは、芸術は人間が生み出す美と思いがちですが、ミロのヴィーナスやモナリザ、最後の晩餐、ダビデ像など不朽の名作は、いずれも黄金比を中心に構成しています。いわば、神の比に勝る美はないというほかないでしょう。聖書に「神は人間を『神のかたち』に創造された」と記されていますが、まさしく我々人間は神の小さなフラクタル現象なのかもしれませんね!
◆次回更新は3月5日の予定です
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