私が設計した建物紹介016 GAMO青山(青山、2003年)
GAMO青山は、ヘアサロン専用の総合美容商社の本社です。プランニングは、敷地選定から始めました。クライアントが求める立地条件は以下の2点でした。
Ⅰ 来訪する人々が、再度、足を運びたくなるような場所
Ⅱ 利便性が高く、サロンが林立している渋谷、原宿、表参道に近接している
この2点を満たす土地として、青山にあった公園に接した旗竿敷地に注目しました。旗竿敷地とは、道路に面した部分が狭く奥に行くと急に広くなる、鳥瞰すると旗竿のように見える土地のことです。通常、こうした形状の土地は、制約が多いため計画しにくいと敬遠されがちです。ところが、私の見方は違いました。公園と接する竿にあたる部分は奥行きが約40mあり、緑に囲まれた通路として最適なロケーションでした。さらに、旗竿敷地であることが、都心部の多くの建物に感じられる奥行き感のなさを解消すると直感しました。つまり、来訪者が緑豊かなアプローチ空間を通って、特別な場所に入っていく演出がなされた土地だと考えたのです。そして、クライアントも私の考えに同調してくれました。
©鈴木エドワード建築設計事務所
©鈴木エドワード建築設計事務所
地上3階建て、塔屋1階の建物は、周辺環境との調和を考えてシンプルな鉄骨構造を採用しました。カラーは白を基調とし、空間全体から細部のディティールにいたるまで、スチールの持つ質感を表現する意匠を描きました。GAMO青山は、オフィス空間だけではありません。「総合美容商社として、商品の提供だけでなく、情報・交流を美容業界に発信・提供していく」との企業戦略に基づき、コミュニティーゾーンをはじめ講習・ヘアショーを行なうスタジオを併設しており、空間デザインも重要なポイントでした。
そこで、各階の公園に面した側に張り出すかたちでバルコニーを設け、内部のアクティビティと周辺環境とのインターフェース(内と外の中間領域)を形成しました。このバルコニーは、公園側に張り出すことで、外部から建物内部への広がりを感じさせるドラマティックな空間構成を演出するほか、緑や陽光を感じられる癒やしの空間としての役割を担っています。その効果は絶大で、バルコニーは、スタッフや来訪者が談笑する空間として重宝されています。
◆次回更新は11月14日の予定です
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