私が設計した建物紹介008 MUSICASA(渋谷・1994年)
©鈴木エドワード建築設計事務所
MUSICASA(ムジカーザ)とは、イタリア語のMUSIC(音楽)とCASA(家)を組み合わせた造語。ピアニストのオーナーの夢である「一生、好きな音楽に囲まれていたい」、「若手音楽家に練習と発表の場を提供したい」を実現した住居兼サロンです。地下1階、地上3階の4層構造で、地下1階は駐車場と練習室、1階および2階は音楽家の発表の場となる吹き抜けのサロンと簡易キッチン、3階は住居となっています。
敷地面積は約200㎡で、北と東で急傾斜の道路に面していました。設計上、急傾斜によって道路に高低差が生じる難しい条件でしたが、その高低差を逆手にとることで各階へのアプローチを設置するプランが実現できました。道路の低いところから地下1階に向かうアプローチ、高いところから3階の住居に通じるアプローチ、そして中間に位置するところからは1階へのアプローチを設けました。アプローチを分けたことで、建物内に階段スペースが不要となり、室内空間を広くとれるという効果も生まれました。また、道路に面するファサードは、敷地形状や防音対策を考慮して、コンクリートの曲線壁で覆っており、上から見ると扇子のような形に見えます。
©鈴木エドワード建築設計事務所
1階のサロンは、約100人の聴衆を収容でき、2階にはレセプションやパーティーを考慮し、簡易キッチンを備えています。3階の住居は、リビングルーム、ダイニングルーム、ベッドルーム、バスルーム、和室を機能的に配置。扇子の要にあたる部分にフロストガラスのスクリーンを設け、その内側に中庭をつくるインターフェースの手法をとっています。中庭はリビングルームとダイニングルームから愛でることができ、部屋の開放感を高める効果を担います。
竣工以来、サロンコンサートの場として、練習場として、オーナーをはじめ多くの音楽家たちに喜ばれています。いつまでも、美しい調べを奏でるMUSICASAであってほしいと願っています。
◆次回の「GOoD DESIGN PHILOSOPHY」は12月13日更新予定です
次回の「私が設計した建物紹介」は12月20日更新予定です



